遺産分割の協議はまだ終わっていないですが、先に父名義の預貯金を出金できますか。
- 2021.09.21
Q
父が亡くなり、相続人は、父の子どもである私と弟で、遺産は、自宅と預貯金、株式などがあります。個人的な事情で、急ぎでまとまった金額のお金が必要なので、父の預貯金を先にいくらかもらいたいのですが、まだ、弟と遺産分割の協議ができていません。
この場合、ひとまず、私が相続する範囲内で、父名義の預貯金を出金できますか。
A
民法が改正され、新法909条の2により、遺産の分割前に遺産に属する預貯金債権につき、一定の範囲(相続開始時の債権額の3分の1×法定相続分、ただし、同一の金融機関に対する権利行使は150万円が限度)であれば、単独で権利行使ができるようになりました。
この場合、新民法909条の2により、権利行使した分は、相続人が遺産の一部の分割により取得したとみなされることになります。
(執筆者・大野)
この記事を担当した弁護士
弁護士法人かばしま法律事務所
パートナー弁護士
大野 智恵美
保有資格
専門分野相続
経歴福岡県直方市出身
熊本大学法学部卒業
西南学院大学法科大学院
司法試験合格
弁護士登録(福岡県弁護士会)