宅地化ができる土地が遺産に含まれている場合、その土地の評価額はどうやって金額を決めれば良いのか。?
- 2021.09.21
Q
今、父の遺産分割手続について、兄弟間でもめています。
地目が田畑ですが、宅地化ができる土地が遺産に含まれており、その土地の評価額で意見が割れています。
どうやって金額を決めれば良いのでしょうか?
A
相続税を計算する上で、農地(地目が田や畑である土地)は、下記のとおりに分類して、評価をされます。
➀純農地
⇒倍率方式
※その農地の固定資産評価額に、国税局長が定める一定の倍率をかけて評価する方法
②中間農地
⇒倍率方式
③市街化周辺農地
⇒その農地が市街化農地であるとした場合の価格の80%に相当する金額
④市街化農地
⇒(その農地が宅地であるとした場合の1㎡あたりの金額-1㎡あたりの造成費)×地積
原則として、農地を宅地にする場合には農業委員会の許可が必要ですが、市街化区域内の農地については届出で足ります。そのため、市街化区域内の農地は、宅地に準じたものとして高い評価額になりやすいのです。
相続人の間で、この市街化区域内の農地の評価額について争いとなり、話し合いでの解決がつかない場合には、遺産分割調停あるいは審判において、その金額を決定していくことになります。評価額について当事者間で合意に至らないのであれば、最終的には不動産鑑定を行い、その農地の評価額を算出することになる可能性が高いです。
もっとも、裁判所を通じた不動産評価には相当な費用もかかりますので、そのメリットデメリットを考えた上で、不動産鑑定に進むかどうかを決めるのが望ましいでしょう。