相続した実家を残すか悩んでいます
- 2021.09.21
Q
両親が亡くなり、実家を相続することになりました。
ただ、相続人である他の兄弟姉妹の中に実家の相続を希望する者はいません。私としては、思い出のある実家を残したい気持ちもあるのですが正直悩んでいます。
A
ご両親との思い出が残るご実家を残されたいというお気持ちはとても良く分かります。
ご実家を残して相続される場合、取得された方が居住される場合は特に問題がないかと思いますが、居住されない場合には費用との関係から慎重に検討される必要があります。
居住されない場合でも、当然、固定資産税や建物の管理・修繕費用は生じます。居住しないから関係ないというものではなく、老朽化した建物によって第三者に損害を与えた場合には、取得された方が法的責任を負う可能性がでてきます。
この点、思い出のあるご実家を残したいとのお気持ちに反することとはなりますが、ご実家を売却して相続するという選択肢もあるかと思います。
ご実家を売却した場合、遺産分割においては現金を分割することとなりますので、兄弟姉妹間における遺産分割で争われる可能性が低くなり、また、次の相続の際に不動産をめぐる対立もなくなります。
そのため、ご実家に居住されない場合には、ご実家を売却することを検討されても良いかもしれません。
この記事を担当した弁護士
弁護士法人かばしま法律事務所
弁護士
松本 圭史
保有資格弁護士
専門分野相続
経歴熊本県熊本市出身
福岡県立明善高等学校卒業
福岡大学工学部建築学科卒業
福岡大学法科大学院修了
司法試験合格
弁護士登録(福岡県弁護士会)